- 2007年12月 7日
- 国・地域:ペルー
- トピック:
アムネスティは、元大統領の裁判が公正なものであることを期待するとともに、この裁判が、ペルーでこれまでに行われたすべての人権侵害を裁くためのさらなる司法的な捜査の開始へとつながるよう期待するものである。
特に、アムネスティは、1980年から2000年にかけて、センデロ・ルミノソ(輝く道)やトゥパク・アマル革命運動による犯罪への厳しい取り締まりの中で、ペルー国軍および治安部隊の構成員が失踪や超法規的処刑、拷問を含む広範な国際法違反を組織的に行っていたことを指摘した。
アムネスティはまた、裁判に参加する被害者や遺族、証人、弁護士を保護する実効性のある措置を持つことの重要性を強調した。
アムネスティは、過去に行われた人権侵害が繰り返されないようにするただ一つの方法は、果たされるべき正義を実現することであり、過去に起こったことに対して、訴追手続きに関わる人びとが報復の恐れなく手続きを進められるよう保障する措置が必要であると主張した。
過去に行われた人権侵害が未来に繰り返されないようにするために、真実と正義、賠償が不可欠である、とアムネスティは述べた。
背景情報
アルベルト・フジモリは、1991年リマのバリオス・アルトスにおける15人の女性、男性、子どもの殺害と、1992年のラ・カントゥータ大学での学生9人と教員1人の拷問および失踪、殺害に責任があるとして起訴されている。これらの犯罪は「コリーナ」部隊によるものであった。この殺人部隊は、1991年に軍諜報機関の内部に設置された。この部隊の設立は、アルベルト・フジモリが実施したといわれる反乱鎮圧戦略の一部であると考えられている。
また、アルベルト・フジモリ元大統領は、1992年に彼が住まいとしていた軍諜報機関本部において、フジモリ政権を批判する人びとの誘拐と拷問を命令した容疑で起訴されている。
10年間におよぶアルベルト・フジモリ大統領の在任中に、アムネスティはペルー治安部隊の手による数百件もの失踪や超法規的処刑のケースを報告した。同じ10年間に、治安部隊によって拷問や虐待も広範に実行された。
AI Index:AMR 46/011/2007
2007年12月7日
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