- 2005年11月 7日
- 国・地域:チリ
- トピック:危機にある個人
AMR46/012/2005
アムネスティは、本日、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領をチリ政府が身柄拘束したことを歓迎するとともに、チリ政府が彼をペルーに送還するかチリで裁判にかけるかについてチリの裁判所が結論を出すまで、チリ国内にとどめて置くよう要求した。
アムネスティは、本日、アルベルト・フジモリ元ペルー大統領をチリ政府が身柄拘束したことを歓迎するとともに、チリ政府が彼をペルーに送還するかチリで裁判にかけるかについてチリの裁判所が結論を出すまで、チリ国内にとどめて置くよう要求した。
アムネスティは、1990年から2000年にかけてのフジモリ政権下でおこなわれた、広範かつ組織的な人権侵害は、国際法上の人道に対する罪を構成すると考える。彼の任期中に起こった何百もの「失踪」事件や超法規的殺害事件をアムネスティは記録している。さらに、フジモリ元大統領が政権についていた10年の間にペルー治安部隊によって起こされた拷問や虐待は広範にわたっている。
フジモリ元大統領の事件についてのチリの国際法上の責任は、アムネスティによれば次のようなものである。
「チリも含め、あらゆる国ぐには、拷問を含め、人道に対する罪を起訴し処罰するためにその人物がどのような国籍を持っていようとも、また犯行地がどこであっても、その裁判管轄権を行使しなければならない。そして、こうした犯罪をおこなった人物に対しては、捜査に協力し、逮捕、送還、処罰などをしなければならない。」
このような国際的義務はペルーとチリの間に結ばれた1932年の引渡し協定にも記載されている。この協定では、「殺人」、「四肢切断」、社会に対する「重大な損害」などは、送還をしない欠格自由としての「政治犯罪」にはあたらないとしている。
アムネスティは、チリ当局がペルーからのいかなる送還要請をも尊重して受け入れるか、アルベルト・フジモリ元大統領をチリ国内において裁くという義務を果たすかしなければならないと考えている。
背景情報
アルベルト・フジモリ氏は、1990年から2000年にかけてのペルー大統領である。彼は今朝早く、チリに到着したところを逮捕され、現在予防拘禁施設に入れられている。同元大統領は、ペルーにおける大規模人権侵害および汚職の容疑で捕まっている。
原文はここ
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