アムネスティ日本は、2013年9月から11月にかけて署名アクション「アフガニスタン:自由を求めて戦う女性にエールを」を実施。集まった署名を駐日アフガニスタン大使に提出しました。
世界各地のアムネスティ支部も実施しているこの署名ですが、日本では、856筆が集まりました。
署名にご参加くださった皆さま、ありがとうございました!
今も続く女性への差別と暴力
アクションキット
アフガニスタンでは、多くの女性が家庭や社会で日常的に差別と暴力に苦しんでいます。教育を受けることを制限され、仕事に就いたり、一人で外出することを許されていません。
耳や鼻を切り落とされるというひどい家庭内暴力をふるわれても、その非は女性にあるとされ、親が反対する結婚相手を選んだだけで「家名を汚した」として肉親から殺されこともしばしばです。
国や法律は女性を守るどころか、女性への暴力と差別を助長させています。
そんな中、女性を差別する法律や慣習を変え、女性を暴力から守ろうと日々奔走する人たちがいます。しかし彼女たちが、いま、大きな危険にさらされています。
女性の権利を守ろうと取り組む人たちは、その活動ゆえに、嫌がらせや脅迫を受けています。中には殺されたり、国を逃れざるを得ない人たちもいます。
アフガニスタンでは、政府、タリバンなどの武装組織、そして時には家族までもがそうした活動を、文化や社会規範に楯突くものだとみなしているからです。
今回の署名アクションは、アフガニスタンで闘う、そのような勇敢な女性たちを守るようカルザイ大統領に要請するものでした。
油断を許さないアフガニスタンの人権改革
タリバン政権崩壊後の10年、アフガニスタンの人権の状況を改善する改革に前進がなかったわけではありません。2003年には女性差別撤廃条約を批准、2009年には女性に対する暴力根絶法を制定しました。徐々にではあるものの、教育を受ける女性も増えてきています。
しかし、国際社会の関心がアフガニスタンから離れるなか、同国の人権改革に後退の兆しがでています。
署名を提出する2013年11月末、アフガニスタンから届いたニュースに私たちは衝撃を受けました。それは、石打ちによる死刑、手足の切断、むち打ちの刑などタリバン政権時代に導入されていた残虐な刑罰が復活する恐れがあるというものでした。
国際的な批判に伴い、カルザイ大統領及び同国の法務大臣は、これら残虐な刑罰を刑法改正案に盛り込むことを否定し、復活することはないと発表。
しかし、アフガニスタンの人権改革の状況にまだまだ油断できないことを象徴しています。
私たちは、集まった署名を駐日アフガニスタン大使に送付する際、残虐な刑罰の復活に対する強い懸念を付記するとともに、新たに緊急署名アクション行いました。
後日、大使館から署名を受け取ったこと、大統領府に送るという連絡をいただきました。
アムネスティ日本は引き続き、アフガニスタンの人権保障のための改革が進み、女性を含めすべての人びとの人権が守られるよう活動を続けていきます。
集まった署名
キャンペーン期間(緊急署名アクション) | 2013年11月29日~2014年1月8日 |
要請先 | カルザイ大統領 |