4月2日、ニューヨークの国連総会でATTが154カ国の賛成で採択されました。
人権保障を柱に据えた、通常兵器の国際移転を規制する初のグローバル・ルールが誕生しました。
その数日前の3月28日、ATTの国連交渉会議の最終日にはシリア、イラン、朝鮮民主主義共和国の反対で条約の成立は見送られました。しかし、多くの国が条約の成立を望み、国連総会で採択されたのです。
アムネスティは2003年から本格的にATT成立に向けて大々的に取り組みはじめました。そのときは通常兵器の移転を規制するなど夢物語とさえ言われました。100万人の顔署名(ミリオン・フェイス・キャンペーン)が国際的に拡がり、日本でも1万以上、世界で100万を超える顔署名が集まりました。
ミリオンフェイス キャンペーン
2006年には、国連の中で武器貿易条約についての協議が始まりました。実現可能性はどうなのか、規制の対象となる武器をどうするのか、どの形態の移転を規制するのか、など、各国の思惑がからまるなかで、少しずつ条約の形が見えてきました。
その間、アムネスティ日本も、武器輸出大国のアメリカ、イギリス、フランス、ロシアなどの駐日大使館を訪れて直接公使らに強い条約づくりを推進するよう求めました。また、日本政府に交渉のイニシアチブをとるよう繰り返し要請してきました。
条約は100%完璧とはいえません。課題も残っています。例えば、アムネスティやNGOはすべての通常兵器を規制対象にするよう求めてきましたが、それは実現しませんでした。小型武器や軽兵器は規制の対象となりましたが、弾薬の規制は必ずしも十分とは言えません。
しかし、条約は今後も見直していくこともできます。とにかく人権保障を柱に武器の国際取引を規制する初のグローバル・ルールを成立させたことは、大きな前進です。
「武器の規制を!」という日本をふくむ世界中の市民の力強い声が、条約を成立させたのです。
10年にわたるキャンペーンの間、顔署名に参加してくださったみなさん、またハガキやオンライン署名、ツイッターアクション、facebookでいいね!とシェアをしてくださったすべてのみなさん、本当にありがとうございます!
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